ピアノの調律方法について(2)
2021/09/15
今回は現在ほとんどの調律で使われている平均律音階について簡単にご説明します
平均律音階はフランスのメルセンヌによって始められ、バッハがこれを採用して平均律クラヴィア曲集
を作曲しています
現在有鍵楽器、管楽器等は特例を除いてこの平均律を使用しています
鍵盤楽器は演奏時に自分で音程を定める事ができないため、音楽で要求されるすべての音を
純正音程として求める事はできません
そこで、簡単な計算に基ずく妥協の方法が生まれ、それが平均律音階と言われます
平均律は1オクターブの比率(1:2)を12の間隔の等分し、それぞれの半音間の比率が一定になっていて、
いかなる転調も可能になります
つまりこの方法は必要なすべての音程、和音を我慢できる範囲で弾く事ができるのです
言わば妥協の産物なのです
純正5度を12回重ねた時に出るピタゴラスコンマ(24セント)を、それぞれの5度に平均に割り振って
平均5度としてそれを重ねて音階を作ったものです
なので4度5度は純正音程に近く不快感はありませんが、3度6度関係はかなり純正音程と差があり、協和感は
減じられます
妥協の産物とは言え、すべての音程、和音に対応できる唯一の方法と言えるかもしれませんね