ピアノ調律の効果について
2024/02/15
まず、調律を定期的に行うことで、ピアノがよい状態に保たれます。ピアノには、常に大きな張力がかかっていますが、それはただ単に、何も考えずにそんな張力がかけられているわけではありません。ピアノは綿密に設計されています。鍵盤がハンマーを動かし、ハンマーの先に取り付けられたフェルトが弦を叩くことでピアノは音を発します。しかし、これだけではピアノから魅力的な音は鳴り響きません。響板という板が、弦の振動を増幅させることでピアノの外に響きわたります。この響板も含め、ピアノはすべてが計算されて作られているのです。響板はただの板ではなく反っています。実はこの反りを維持しているのも弦の張力です。すべてが計算されて作られているピアノが長い間調律されていないとなると、本来想定されている音が出ないのは当たり前のことです。いくら丈夫なピアノのフレームでも大きな張力がかかれば次第に歪んでいきます。響板の絶妙な反りも、バランスが崩れれば弦の振動をうまく増幅できなくなってしまいます。調律は、ピアノのすべてのバランスを保ち、本来想定されている音質や音程を維持するための作業です。ちなみにこの響板、グランドピアノの場合はピアノの下から、アップライトピアノの場合はピアノの裏側から見えるので、チャンスがあれば見てみてください。